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カテゴリ: Computer & Game (序)はじめに
「ゲーム機の中にはコンピュータが入ってるんだよ」
いまさらこんなことを言うのもおかしな話ですが、コンピュータが『電子計算機』と訳されていたことを考えれば不思議に思えます。この計算機を使って、一番始めに「ゲームを作ろう!」と考えた人は、いったいどんな頭の持ち主だったのでしょうね。
世界で最初の『電子式デジタルコンピュータ』が生まれたのは50年以上も昔のことです。それは、数万本の真空管を使った巨大なもので、専門のオペレーターによって操作され、30分も動かせば部品が壊れてしまうような信頼性の低い機械だったそうです。しかも、大砲の弾道計算や敵国の暗号文を解読するといったように、主に軍事目的の道具として開発されたものでした。
コンピュータの先祖が考案されたのは、更に130年ほど前にさかのぼります。コンピュータは、「対数表を機械で計算できないだろうか?」というチャールズ・バベッジの思い付きから、文字通り指数対数的な勢いでこれまで発達してきたわけです。
コンピュータは、「より小さく、より速く、より信頼性を高く」を合言葉にマイクロコンピュータを産み出し、「誰もが簡単に扱えるように」と、衣を着せられた『パーソナルコンピュータ』に進化しました。大学や研究所にしか存在し得なかったコンピュータの世界が、個人で所有できる大きさと価格になって普及し始めたのです。そして、その機能はますます豊富になり、凝縮され、コンピュータを構成するハードウェアの機構は複雑化の一途をたどっています。
一方、コンピュータを利用する側から見た場合は、ユーザーインターフェイスの向上によって、複雑なコンピュータを意識せずとも簡単に操作できるようになりました。技術者の独壇場だったコンピュータの世界は、『マウス』と呼ばれる入力装置を使い、画面をなぞるだけの簡単操作によって、理系文系を問わず、今までコンピュータとは無縁の生活を送っていた層にも受け入れられたわけです。
見方を変えると、ソフトウェアの進歩によって、“使う側”の環境からはますますブラックボックス(中身が見えない)化が進んでしまったと言えるでしょう。そして、当初の「コンピュータを意識しなくても利用できるように」という夢が実現されてきた反面、「もっと積極的にコンピュータを理解したい」という気持ちにとっては、大きな障害になっているように思います。
さて、だいぶ前置きが長くなりました。テレビゲーム機にコンピュータが入っていることは今や周知の事実ですので、コンピュータ技術の変遷云々の話も関係ないとは言えません。コンピュータのブラックボックス化以上に、テレビゲーム機のそれは顕著な事実です。
このカテゴリでは、一つの立派な文化として育ったテレビゲームの動作の仕組みを通して、コンピュータの世界を幅広く考察してみようと試みるものです。皆が知っているテレビゲームは、漠然としたコンピュータの世界を「視覚的に表現しながら説明できる」格好の材料だと思っています。
テレビゲーム機は、その名が示す通り『テレビジョン』を媒体とする娯楽機械です。正式名称は『ビデオゲーム(テレビ映像のゲーム)』と言いますが、日本では『テレビゲーム』の方が馴染み深いので、あえてこの和製英語を使いました。
ここからしばらくは、1990年代に書いた文が続きます。
2006/1/14 01:54 | URI | Computer & Gameカテゴリの記事をすべて読む