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カテゴリ: Computer & Game 電気のもと
「コンピュータ&ゲーム」カテゴリについてにも書きましたが、ゲーム機を含むすべての電気製品の源は電気です。押されたボタンの情報は、電気によって本体に送られ、電気を使って記憶し、電気を使ってプログラムを読み込み、電気を使ってディスプレイを動かしています。
「電気が流れると、どうして電気製品が動くの?」
先程から盛んに「電気電気」と言うけれど、いったいこの「電気」とは何者なのでしょうか。あまりにも身近な存在なので、これまで考えてみる機会がなかったかもしれません。
試しに「電気とは何者か」ということを、理屈っぽく結論から書いてみます。
「あらゆる物質を構成する原子の中の、陽子と電子のバランスが崩れて、どちらかの性質に傾いてしまった状態」
「帯電している」という表現の方がしっくりくるのですが、それにしても、こんな説明をしただけで終りにしてしまうと、恐らくこの先を読む気力が失せてしまうでしょうから、もっと砕いて詳しくお話しましょう。
私達は、普段電気を使う時に、わざわざこんなことを考えているわけではありません。電池を使う時にはプラスとマイナスを間違わないように入れるだけですし、コンセントにプラグを差し込めば、後は電源スイッチを入れるだけで動いてくれます。
上で説明した「電気」は、電気を帯びてはいるものの、その流れ、すなわち「電流」が存在するわけではありません。電気は必ずしも流れるものとは限らないわけです。水というものが流れて、はじめて水流になるのと似ています。
私達の周りにあるすべての物は、ものすごく小さな粒子が沢山集まって構成されています。人も水も、目に見えない空気でさえも、小さな小さな粒々の集まりでできています。その粒々は『原子』だとか『分子』、あるいは『イオン』と呼ばれ、「物の性質を維持できる」最も基本的な単位になっています。これからゆっくりと、この粒々を見て行きたいと思います。
しょっぱなから化学の勉強みたいになってしまいましたが、電気の動きの仕組みが分かると、「コンピュータの信号がどのように加工されてテレビに映し出されるのか」ということがとても良く分かるようになります。そうは言っても、化学の嫌いな方もいらっしゃるでしょうし、こんな話ばかりで飽きられては私も困ります。ですから、ここでは化学式が分からなくても、直感的に理解して頂けるようなお話に留めたいと思います。
みなさんは、原子の構造がどうなっているか、ご存じでしょうか?
『元素の周期表(google)』というものがありますが、たいてい化学の教科書の初めのページに載っているので、一度は目にしたことがあると思います。
私は、大日本図書の周期表ページが気に入っています。元素名をクリックすると詳細データが表示され、電子配列を知ることもできます(1s 2s 2p…7s 7pという欄)。出力用周期表(PDF型式)もあります。
水素から始まり、現在確認されている103個の原子が、番号順に並んで表になっているものです。104番以降の元素も順次発見されているそうですが、ここでは関係ない話ですので深追いはしません。
この表の並び方は、勿論いい加減なものではありません。
1番『水素』、2番『ヘリウム』という具合に「原子番号」順に並んでいます。原子番号というものは、これも見つかった順番とか適当なものではなく、その原子の原子核を構成する『陽子』の数を表わしています。
この陽子はプラスの性質を持っています。「プラスの性質とは何だ?」と言う方も居られるでしょうが、とりあえずプラスのマークである「+」という文字でも構いませんので、正のイメージを持って下さい。
プラスがあればマイナスもあるというのが道理というものです。しかし、通常の原子全体の電気的性質は、プラスでもマイナスでもありません。これは、電気的な性質が存在しないというわけではなく、プラスの性質とマイナスの性質がバランス良く釣り合っている状態だと言えます。
運動会の綱引きを思い浮かべて下さい。仮に、片方をプラス組、もう片方をマイナス組だとすると、両方とも同じ力を持った人が綱引きをしている状態が通常の原子の状態です。したがって、原子核を構成する陽子のプラスの性質を打ち消すためには「マイナスの性質を持った何か」が存在することになります。
そもそも、このプラスだとかマイナスという概念は、人間が勝手に決めたもので、物事を「相対的」に考えるために必要になったものです。例えば、水の氷点を基準にプラスとマイナスが決められた「セ氏温度」を見ても明らかでしょう。これは、水の氷点を0℃として、沸点までを100等分して決めた温度ですが、0℃より低ければマイナス、高ければプラスという決まりを人間が作ったわけです。極端な話、この世に水がなければ「セ氏温度」の定義は違ったものになっていたでしょう。
ところで、水素という元素は、原子番号として栄光の1番を付けています。原子番号が1番ということは、陽子が一つしかなく、それに釣り合うために、一つの電子が原子核の周りを周っていることになります。
電子は太陽の周りを周る惑星のようなもので、原子番号が大きくなると、そのぶん増えた電子の軌道が、二重三重の層になっているのです。そして、原子核から遠くを周る電子ほど、外部からの影響を受けやすくなります。
実際には『電子配列(google)』という実に面白い決まりがあって、その電子配列によって、世の中には安定している原子と不安定な原子が存在するのです(電子配列については、上で紹介した周期表でも知ることができます)。
さて、ここで電気的に中性な原子から、一つの電子を奪ったらどうなるでしょうか?
マイナスの性質を持つ電子が足りなくなるので、原子はプラスの勢力が強くなりそうです。先程の綱引きに例えれば、マイナス組の人が一人抜けたために、プラス組の方が強くなってしまった状態です。
逆に、一つの電子がどこからか迷い込んでしまったらどうなるでしょうか?
こんどはマイナスの性質が増えて、原子全体としてもマイナスの勢力が強くなりそうです。
この現象を『イオン化』と言って、マイナスの勢力が強い原子のことを『陰イオン(陰電気)』、プラスの勢力が強い原子のことを『陽イオン(陽電気)』と呼んでいます。
まだパッとしないかもしれませんが、この「陽子と電子のバランスの違い」が「電気のもと」なのです。
2006/01/18追記
今読み返すと、とてもゲームの話に続くとは思えない内容ですね。学生時代は電子工学を学んでいたので、自分としてはわりと好きなテーマですが、はたしてこんな話がどれだけの人に受け入れられるのかと、ちょっと心配になってきました。
2006/1/18 23:26 | URI | Computer & Gameカテゴリの記事をすべて読む